自宅から電車とバスを乗り継いで50分ほどの距離にある県立高校に通っている僕は、受験の時からあえて「家から遠めの距離にある学校」だけを選択肢として挙げていました。一応念のため断っておきますと、別に「中学の友だちとは物理的に距離をおきたい」とか、そういう後ろ向きな理由で家から遠い高校を選んだ訳ではありません。
これは父の受け売りになるのですが、「家から電車などを使って遠くの会社や学校に通っていると、その時間がひとつのスイッチになってくれる。結果的に、『家』と『会社・学校』が自分の中で別世界の出来事になって色々と楽に過ごせる」ようになるらしく、僕もこれを味わってみたいと思っていたのです。

また加えていえば、実は自宅がいわゆる田舎になるため、高校生になったら出来ることのひとつである「アルバイト」をするところがあまり無く、都会の方面にある学校に通う傍ら、その近くでバイト先を見つけられるかなという目算もありました。

実際、今僕は学校の最寄り駅近くのファミリーレストランでバイトしており、ある程度自由に使えるお金を稼ぐことが出来るようになっています。もちろん、バイトも楽ではなく色々なトラブルに見舞われることもあります。先日も、店で使っている業務用の食器洗浄機で水漏れが盛大に発生し、料理などを作るバックヤード部分が水浸しになるという事件がありましたが、こんな風に色々なトラブルを経験するのも、ある意味高校生になったから出来ることです。

このように僕は、自宅の近所とはあえて切り離した別世界を、通っている高校近くに自分で作り、それを満喫しているのです。